書籍レビュー

『他人を支配する黒すぎる心理術』で使いたいテクニック・Dスケの3選。

どうも、どちらかというと聞き役が多いDスケです。

 

皆さん、人付き合いで色々思うこと、考えることあると思いますが、そんなとき、相手の心理状態を知る術を持っていたり、逆にこちらが相手の思惑を操れたりしたらいいなと思うこと、ありません?

いやいや、そんなの気にせず自分の好きなように発言したり行動するぜというメンタルつよしくんは置いといて、僕とかは気を遣うタイプのため、できれば人間関係は波風立てないのが理想です。

別に上手に生きられなくてもいいのですが、もし事前に知っていたり分かっていたりすることで、何らかの危機を回避できる手段があるなら、それはぜひとも知っておきたい!

 

今回は胡散臭い内容ではないのですが、本のタイトルからしてそんな匂いがプンプンする『他人を支配する黒すぎる心理術』を読んで実際に使える、心理学で人とのコミュニケーションを円滑にする方法をご紹介します。

 

概要:『他人を支配する黒すぎる心理術』について

 

この著書は、2013年に発行されたもので、社会心理学や認知心理学の学者さんに取材した内容から編集された心理テクニックの本です。僕が持っているのは2016年の第31刷。かなりのロングセラーですね。

他人を支配する、と大見得きって題字されてますが、噛み砕いていうと普段の人間関係を良好にしていくためのスキルがまとめられています。

普段の日常の中でも心理効果を狙った仕組みが応用されていたり、歴史上の人物も使っていたテクニックにも触れていたりと、心理学が身近な場面で活用されていることを紹介してくれます。

また、逆にそういう心理分析を用いて、相手に狙った印象を抱かせるためのスキルや、それを悪用してくるような相手に対して思惑通りにされないための心得なんかも書かれていて、生きていくうえでの力を蓄えてくれる本とも言えるでしょう。

 

決して催眠術やら支配論(?)のようなものではなく、「あ、これは会議のときに使えそうだ」とか、「これはデートで試してみたいな」と気楽に読める心理学本です。

 

1.視線の動きを読め!「アイアクセシング・キュー」

これは結構有名な理論ですね。こういう名前のテクニックなのかぁという感じ。

「目は口ほどに物を言う」という言葉の通り、表情やしぐさはノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)として相手の心理を読み取る重要な要素となります。

参考 | ノンバーバルコミュニケーションとは?

 

例えば、相手が本当に笑っているか、それとも作り笑いなのかを判断するには、目までしっかり笑っているかで判断できるそうです。

さらに、研究では本当に笑っているときには大頬骨筋(口角を上げる筋肉)を、作り笑いの時には眼輪筋(頬を引き上げる筋肉)を使うことが発見されており、大頬骨筋は本当に笑っているときは長く持ち上がらないそうで、長く笑顔が続く場合は作り笑いの可能性が高いとのこと。

いやぁ、笑顔一つとっても、知ってしまうと若干怖いですねw

 

さて、本題の「アイアクセシング・キュー」というのは、

「視覚」「聴覚」「感覚」などの五感を通して処理される過程で視線の動きが変化するというものです。これを知ることで、相手が視覚的イメージを思い浮かべているか、音を聞いているのか、何を感じているのかが分かるのです。

(第2章『相手の「表情」「しぐさ」からホンネを透視する方法』より)

というもの。つまり、視線から相手の考えていることを読んぢゃおうと。怖い怖い。

 

代表的なのが、話している時に「右上を見ながら話していれば本当のこと」「左上を見ながら話していればウソ」ですが、これは、人は視覚的なイメージを思い浮かべるときに視線が上に向かう、という研究からきているそうです。

さらに、右上の時には「記憶」を、左上の時には「想像」をそれぞれ探る視線だそうで、上記のようなウソ発見機として使えるテクニックになるんですね。(もちろん、相手の側から見て右・左ですよ!)

他にも、視線が水平に動くときには音や声といった聴覚的イメージを、視線が左下の方に動くときには触覚や感情といった感覚的なイメージを、それぞれ探る動きだそうで、先ほどの右・左の動きと組み合わせることで、視線からこんな読み取りができます。

  • 昨日着けてたネクタイは何色だった?→自分の記憶の視覚イメージを探るので「右上」
  • 来週入ってくる新人さんはどんな感じだろうね→まだ会ってない新人の顔を想像する場合は「左上」、声を想像する場合は「左水平」
  • 昨日のお風呂のお湯は熱かった?→記憶の触感を思い出すので「左下」(本では、なぜか「右下」の言及はなかったですね)

相手の視線を読み取りやすい、対面時に使いやすいテクニックですね。

 

他にも、視線一つ、表情一つで、さまざまな感情の読み取り方が書かれています。

勉強になったのは、読み取り方よりも、「こういう表情をすれば、こういう感情に見える」という理論から、「この表情は怒った顔に見えるからやめておこう」とか、「この表情は相手に威圧を与えるから場合によってはビジネスの場で使えるな」とか応用がきくこと。

印象度を操作する、という意味では非常に役立つ内容が満載です。

 

2.「ピグマリオン効果」で、褒めながら相手を伸ばす!

これも有名な心理効果ではありますが、そのほかの事例も加えて解説。

人間関係において、言葉によるコミュニケーションは必須。会話が成立しないと、相手が信頼に足る人物かはよく分かりません。

しかし、何を話すか、よりも、どう話すか、の方が、実は大事だったりする。これは先ほどのノンバーバルの部分と同じ理論ですね。

どう話すか、という心理学研究も沢山行われているそうで、

  • ある選挙では、声の低い候補者の得票率の方が、声の高い候補者の得票率より高かった
  • ささやき声を使うと親密度が増す
  • 若い人には早いスピードで話すと有能さをアピールでき、逆に年配の人には遅いスピードで話すと印象がよい

といったことが実証されていて、いずれも意識していると色んな場面で使えそうです。

 

それと同時に、もちろん何を話すかというのも、円滑なコミュニケーションには外せない要素ですが、その際に「褒める」という行為をうまく使って、気持ちよく相手に動いてもらおうというテクニックも紹介されています。俗に言う、手のひらで転がすってやつですね。

有名なのが「ピグマリオン効果」ですが、

期待することによって対象者からやる気が引き出され、成績が向上する現象を「ピグマリオン効果」と呼びます。

(第4章『「言葉」ひとつで他人を操る ヤバすぎる心理術』より)

いわゆる「褒めて伸ばす」ってことなんですが、その褒め方にも色々あるんです。

 

面白かったのは、相手の性別によって、褒めるポイントを変えるテクニック。

まず、男性であれば、男性脳の根幹となる狩猟本能に訴えるような、その人自身の能力を褒めたり、能力の結果として得られたモノを褒めるのが有効。

そして、女性であれば、男性よりも猜疑心が強いので、結果よりもプロセスを褒め、コツコツと頑張っている点であったり、センスや内面といった育んできたものなどを褒めると良いとのこと。

確かに男性はプライドの高い人も多いし、「頑張ってるね」よりは「あの仕事スゴイね」の方が嬉しかったりするのは何となく分かります。

逆に女性であれば、「可愛いね」「綺麗だね」と上辺の褒め言葉より、「いつも遅くまでありがとね」とか「髪型変えたのイイ感じだね」など、いつも気にかけてくれるという実感の方が嬉しい(気がしますが、合ってますかね?w)

 

こういった褒めるポイントをしっかりと押さえつつ、適宜褒めることを忘れずに接していくことで、相手にもいい影響を与え、成長したり、自分の味方になる人を増やしていけるんですね。

かくいう僕も、まだまだ褒められて伸びたいタイプ。気持ちが分かるだけに、後輩を褒めることを忘れずにいたいです。

 

3.恋の誘導尋問しちゃえ!「誤前提暗示」

アンジャッ〇ュの渡部さんも以前テレビとかで紹介してましたかね、コレ。

一応、恋愛系の心理テクニックも触れておかないとね。成人男性のために。

 

いわゆる二者択一の質問を投げかけることですが、

初めに間違った前提を与えることで相手の心理を誘導する「誤前提暗示」「誤前提誘導」と呼ばれる心理テクニック

(第4章『気になる異性を振り向かせる 人たらしの恋愛心理術』より)

として、会話の際に使えるものですね。

本著では分かりやすく会話例も載ってます。

男「もしデートでご飯を食べるとしたら、和食、イタリアン、中華、エスニック、どういうのがいい?」
女「私なら和食かな」
男「和食にもいろいろあるけど、何系が好きなの?」
女「やっぱりお寿司かな~」
男「へー。例えば場所はどこがいい?築地、銀座、六本木…」
女「うーん、築地かな」
男「そっかあ。そういえば、築地でいいお店を知ってるんだよね」
女「へー、いいなあ」
男「じゃあ連れていってあげるよ。木曜日と金曜日ならどっちがいい?」

といった具合に、イエス・ノーで答えられない二択の質問に集中させることで、本題のデートへの感心が薄れ、断られにくくなるとのこと。

まぁ、真偽のほどは定かではないですが(笑)、このテクニックはあのナチス・ドイツの独裁者・ヒトラーも多用していたものだそうで、そう言われると一気に信憑性が増しますね。。。

上記のようにすぐにデートに持ち込まなくても、相手に自分のことを意識させるためのテクニックとしては使いやすいですね。「デート行くなら動物園と水族館、どっちがいい?」→「動物ならライオンとパンダ、どっちが好き?」的なw

 

そのほか、相手の行動を真似ることで好感や信頼度を高める「ミラーリング」や、最初に大きな要求を出して断らせたうえで小さな要求を飲んでもらう「ドア・イン・ザ・フェイス」、逆に小さな要求をどんどん積み重ねていくことで最後の大きな要求まで飲んでもらう「フット・イン・ザ・ドア」など、ジョジョのスタンドのようなテクニックが沢山載ってます。

まぁ結局は、恋愛でも仕事でも、要は人と人とのコミュニケーション。色々な場面で使えるものばかりです。

 

まとめ:知っていることで、円滑に運ぶこともある

会話だったりコミュニケーションって、普段何気なく行っていることであって、それを言語化したり、意識的に分析しないことがほとんどですよね。

かくいう僕も、この本を読んだからといって、すべてのコミュニケーションを分析できるようになったりはしてません。というか、この本に書いてあるテクニック多すぎて、全部頭に入らないw

とはいえ、自分の中で「なるほど」と思ったものはいくつかあって、それを知っているのと知らないのとでは、丸腰で試合に臨むか、木刀持って挑めるかぐらいの違いは感じます。

 

相手が見せているこの表情・しぐさ・動きは、何を感じているのだろう。

そういった読み取れない何かに、少しでも悩むことがあるなら、この本でそれを紐解くスキルを得てみてはいかがでしょうか?

気軽に心理学に触れられる本として、おすすめの一冊です!

 

 

Dスケ