書籍レビュー

『マンガでよくわかる エッセンシャル思考』を読んだら、過去の自分を褒めたい気分になったのでまとめてみた。

どうも、Dスケです。

 

突然ですが、皆さんは自分の時間を有効に使えていると思いますか?

仕事であれば次から次へとやらなくてはいけないことをこなし、やる必要のない誰かの依頼も断り切れずに受けてしまう。プライベートでも溜まった用事を片付け、気が付いたら休日が終わってしまっている。

そんな忙しい毎日を送ってはいませんか?

 

僕も会社員時代にそんな忙しい毎日を送っていたのですが、ある時期から割り切って仕事に向き合うようにしたことで、効率よく仕事を回せて、プライベートにも余裕が生まれるようになりました。

そんな経験を経て今なのですが、最近『マンガでよくわかる エッセンシャル思考』という本を読んだところ、まさに自分が考えていたこと、行動していたことを裏付けてくれるような言葉がたくさんあったので、ぜひご紹介したいと思います。

いろんなことで「うまくいかないなぁ」と悩んでいる方に、散らかった思考をスッキリ整理してくれる一冊です!

『マンガでよくわかる エッセンシャル思考』の概要

『マンガでよくわかる エッセンシャル思考』は、アップル、Google、Facebook、Twitterなど、そうそうたる会社のアドバイザーを務めるコンサルタント、グレッグ・マキューンの著書『エッセンシャル思考』を漫画でわかりやすく解説した本です。

 

この『エッセンシャル思考』、ブロガーのクロネさんがご紹介されていたのを見かけて、年末年始ですこしダラけていた自分に喝を入れる意味で購入してみました(笑)


「エッセンシャル思考」は、よくミニマリズムを代表する考え方として出てきます。

内容を簡単にお伝えすると、「自分が今、本当にやりたいことを見極め、選び、それだけに集中して行動すれば、自分のしたいこと・なりたい姿へおのずと進んでいける」といった考えに基づく思考法について書かれています。

まさに、自分に必要なものを丁寧に取捨選択していくミニマリスト思考に、非常にマッチしますね。

 

僕は別にミニマリストではありませんが、最小の作業で最大の効果をうむような効率化はとても気にするタイプで、そうでないと広告ディレクターはできなかったりします。

そういう意味ではこの本を読んだときに、とても自分の元々の考え方に近い思想だったので、内容もスッと入ってきました。

さらに、先ほども書いた、忙しかった会社員時代に実際に行動・効率化した内容が、まさしくこの『エッセンシャル思考』の考え方だったので、過去の自分を褒めたい気分になりました(笑)

 

ここからは、『マンガでよくわかる エッセンシャル思考』の内容に沿って、僕の会社員時代の考え方や実際に行った効率化の話にも触れながら紹介していきます。

大切なものを見極めて、きちんと選ぶ

エッセンシャル思考では、物事の優先順位をきめて優先度のたかい順に進めていく、といった考え方ではなく、優先度の高いものとそれ以外ではっきりと分け、「それしかやらない」と決める思考法がベースとなります。

著書内では「90点ルール」として書かれていますが、自分の中でやりたいこと、やるべきだと思うことで90点を超えない限りは、なかったものとしてスルーする、または勇気をもって断る。

 

これを徹底することで何が起こるかというと、「時間」が生まれるんですよね。

エッセンシャル思考においては誰にも邪魔されない「孤独な時間」を持つことが重要とされていて、その時間があるからこそ、効率よく進めるための発想ができたり、無駄と思われる遊びを大事にすることで自由なアイディアが生まれたりするとされているのです。

本でも紹介されているピカソの言葉、『深い孤独がなければ、まともな作品はつくれない』は、時間をつくって孤独と向き合うことの重要性を静かに伝えてくれます。

 

僕は忙しかった当時、1日に降りかかる仕事量をなんとか終わらせることだけに終始し、しかもそれでも毎日終電で帰り、たまに休日まで出勤する始末。「時間」なんかどこにあるんだと思って毎日過ごしてました(笑)

新しい継続案件を獲得したおかげでそうなったのですが、結果的に自分の首を絞めることになり、そこで思い直した結果、最優先に位置付けたのは「自分」でした。

まずは自分が余裕のある仕事をしていないと、新しい相談も受けられないし、新しい発想も生まれない。新しいスキルも習得できないし、プライベートも充実できない。

 

そう考えてからは、会社を自分のために使う方向へシフトして、長時間労働の要因になってた案件は思い切ってストップさせ、より広告・コンテンツのディレクターとしての経験やスキルアップに注力していきました。

正直、売上は落ちたので小言を言われることは多くなりましたが、勝手ながら僕の満足度は格段にあがりました。そのお陰で、今は自分でデザインツールを動かし、仕事にもつながっています。

「より少なく、しかしより良く」を実践

エッセンシャル思考では、「なにをするか」と同じくらい、それ以上に「なにをしないか」が重要です。

それらはすべて、『より少なく、しかしより良く』というディタ―・ラムスの言葉に集約されます。

さきほど決めた90点ルールによる最優先以外のことについて、やらないと決めたり、やらないためにどうするか考えることが、最終的に外注化したり、効率化したり、効果を最大化したりすることにつながっていくんですよね。

 

なにが本当にやるべきことなのかを見つけ出す手法は著書内で紹介されていますが、個人的には深い自問自答を行っていけば、ある程度の精度の優先度をつけていけるかなと考えています。

問題は、する・しないを精査したあとの、「しないことをどう続けていくか」という点です。

 

僕の場合は広告制作のディレクターでしたが、前述の忙しいタイミングでは、自分でライティング・編集・校正・デザインデータチェック・丁寧なラフの制作・業者選定などなど、「自分でやったほうが早い」と思い込んで色々な作業に手をつけていました。

また、同僚も忙しい人が多かったため、仕事や調べものを頼まれたりすることも多くありました。これだと、いくら自分で時間をつくっても、つくったそばからなくなる一方です。

それを見直したうえで、僕は

  • 手戻りの少ない外注先に高単価を支払って労力を減らすことで、コミュニケーションにかかるコストや時間を減らし、自分は品質管理に注力する
  • 自分が手を動かす際には、確実に今後のスキルとして身に付くようなものだけを引き受ける
  • 頼まれごとをされる際は、自分でしかできないことか(能力、コネクション、時間的余裕など)を吟味したうえで、そうでなければ現状の仕事を理由に断る

というのを実践していきました。

 

結果、仕事にも余裕が生まれ、安定した品質のクリエイティブを提出できるようになったので、その品質をもとに案件が継続したり、新規の案件をいただくことも増えました。

たぶん社内では扱いづらかったと思いますけどね(笑)。でもそこで、自分の品質に自信をもって制作を続けていたことで、社外の方からも評価をもらえていたので、どちらかに振り切ることって大事だなぁと思ってました。

著書ではそのあたりについてさらに詳しく書かれているので、かなり解像度のたかい目標設定や、する・しないの見極めを学ぶことができます。

今、なにが重要かを考え、それに集中する

著書内では「クロノス」「カイロス」という2つの時間軸の話が出てきますが、通常の時間軸である「クロノス」に対して、「カイロス」は主観的な時間軸のこと。

好きなことをやっている間は、あとからやるべき雑務を忘れてしまったり、苦痛な勉強をしているときだけ時間が遅いように感じたりする、人によって体感の異なる時間のことですね。

エッセンシャル思考では、このカイロス時間における集中が、最大の効率を上げるポイントとして紹介されています。

 

要は、集中できていない時って、今やってること以外にやらなきゃいけないことがチラついたり、すぐ集中が切れてTwitterとかネットサーフィンとかしちゃうよねって完全に自分に言うやつですがwww

それは、まさに「今」という時間にフォーカスできてないからこそ起こるクロノス時間であり、やるべきことの優先度が認識できていない証拠なのです。

なので、今やるべきことは何なのか、そのなかで何を最優先にやるべきなのか、きちんと理解・把握しておく必要があります。

 

『マンガでよくわかる エッセンシャル思考』では、今やるべきことを箇条書きにして優先度をつける方法が紹介されていますが……

これ、まさに僕やってたことでして、というか今もやってることで。

汚いデスクトップは無視して(笑)

デスクトップにふせんを貼って、やるべきことを優先順に書いておく。終わったら消す。

というのを会社員当時から続けています。

会社員のときは前日の帰る直前に、「明日の必須業務」と、「必須でないけどやっておくと今後ラクになる業務」と、「それ以外の新規提案の業務」の3つにわけて記入し、次の日に終わったものから消し、また追加して書く、というのを続けてました。

 

これが集中のための可視化だったんですが、知らずしてエッセンシャル思考、素晴らしい。過去の自分を改めて褒めています(笑)

確かに本を読んでから振り返ってみると、単にそのやるべきことを消す作業に集中できるので効率はいいなと思います。

ただし、常態化してしまうとこなすこと自体が目的になってしまい、新たな事業へのモチベーションがわきにくいという欠点もあるかなと思うので、使いどころはバランス大事だなぁと個人的には感じてます(経験談)。

時間がない、と感じるあなたにおすすめの一冊

漫画の結末としては、劇的に変わった主人公がエッセンシャル思考の伝道師となるわけですが(笑)、たしかに知っているのと知らないのとでは、自分の時間を確保できるかは圧倒的に変わってきます。

そして時間があれば次の新しいことを考える余裕がうまれたり、面白そうなアイディアを実際に試してみることができたりと、時間のない人との差はどんどんと開いていくことでしょう。

エッセンシャル思考は今ご紹介した通り、会社員時代の僕にとっても非常に役に立った考え方でした(答え合わせ的に)。

そしてそれは、時間がないと感じたタイミングであれば、いつでも引っ張りだして精査できる思考法でもあります。

 

もしこれを読んでいるあなたが、時間や仕事に追われ、なかなか新しいことに手が付けられないのであれば、この『マンガでよくわかる エッセンシャル思考』はその現状を整理する素晴らしい助けになってくれるでしょう。

長く使える思考の整理法として、知っておいて損はありません!

 

もちろん、活字版でも。漫画が苦手な方、より深い内容を知りたい方にもおすすめです。

 

ではでは。

 

 

Dスケ