やめかんブログ

『働き方 完全無双』は、全ての働く人たちに「新しい幸せの在り方」を提示する。

どうも、Dスケです。

 

最近、ひろゆきさん著の『働き方 完全無双』という本を読みました。

 

もともと2ちゃんねるの管理人さんだよねという認識から、今は週刊プレイボーイの堀江さんとの対談記事「帰ってきた!なんかヘンだよね」にて目にする程度だったのですが。あれ、面白いですよね。

偶然Twitterで、ひろゆきさん、ではなくて編集を担当された種岡健さんをフォローしていて興味を持った、というこれまでの自分としてはあまりない流れで購入してみることに。なので前作も読んでませんすいません。

読んでみると、昨今叫ばれている「働き方改革」のような生易しいものではなく、個人が社会で生き抜くためにこれから必須だと考える能力や生き残り方、著書内では「攻め方」「守り方」とありますが、圧倒的な合理性に基づく思考法・手法を教えてくれます。

 

簡単に本の内容を解説しつつ、僕が参考になったポイントをご紹介します。

なお、僕はブログタイトルの通り、すでに会社を辞めて行動を始めた側の立場なので、会社に勤められている方の視点とは少し異なるかもしれませんが、あらかじめご容赦ください。

 

『働き方 完全無双』の概要

ちなみに、昨今の「働き方改革」は、すべて企業側の視点です。社員にどのように働いてもらえば、生産性や作業効率を高め、仕事だけでなくプライベートの時間も充実させて、理想のワークライフバランスが実現できるのか、という企業主体の考え方。

それに対して本著は、個人としての働き方を「完全無双」にしていこうという自身への改革のススメ。会社がどう社員に対して働きやすい制度を整えようとしているかとか、そういうことは一切関係ありません。そういう他力本願ではなく、この先個人で生き抜いていく働き方を身に付けていけよ、というわりかしセンセーショナルな内容です。

前ソデの一言に、それが凝縮されているなと感じます。

さて、ひろゆきさんは前提として、日本は緩やかに衰退の一途を辿っており、労働力は安くて品質も高くなった海外に流出、その煽りを受けてさらに国内の労働賃金が下がり、ブラック企業が蔓延したり、外国人労働者が違法な低賃金で働かされている不幸な状況にあるとしています。

さらに今後はAIやロボットの発達により、医者や弁護士といったより高度な業種も含めて自動化し、コモディティ化(差別化のできない状態へ変化)していきます。その中で、仕組みやサービスを作る側の一部の人だけが一人勝ちし、格差はどんどん開いていくのです。

ほとんどの業界で同じような現象が起き、打開できない閉塞感の中で、我々は何もできないまま生きていくしかないのでしょうか?

 

そこでひろゆきさんは「抜け道」として、― 個人として、ワンチャンを狙いながら幸せを目指す ―ことを提唱しています。

そこに個人のスキルや能力は関係なく、2ちゃんねるを運営した自身を例に「たまたま、そこにいた」と説明するとともに、大事なのは「相対的に有利であること」、つまり、勝てる環境に身を置き続けることだとして、その方法論を「攻め方」として教えてくれます。

 

同時に、現代の日本社会や所属企業が、いつまでも自分を守ってくれるとは限りません。最悪な状況になった場合にも大丈夫な状態に、物理的にも精神的にも備えておく必要があります。

また、企業や経営者のロジックを知っておくことで、生き残る人材になるための振る舞いができることも備えと言えるでしょう。

自身も経営者として生きるひろゆきさんの視点から、そのためのマインドセットを含めた「守り方」を解説してくれます。

 

特徴的に描かれているのが、「ブラック企業」と「ベーシックインカム」について。

特に、現在ではまだ本腰の議論は少ないと感じる「ベーシックインカム」案が具体的に提示され、一見結び付かなそうな「ブラック企業」の根絶までの流れが、とても論理的に説明されています。

将来、起こりえる日本の未来図を知る一冊としても、面白い読み物だと感じました。

 

ここからは、Dスケの個人的に響いたポイントを「攻め方」「守り方」から2つずつご紹介。

 

攻め方1:「新しいこと」にとにかく首を突っ込め

僕としては昨年ブログを始めたり、仮想通貨を買ってみたりして、非常に実感するこの言葉。

たとえば、10年前にヒカキンさんの動画を見ても、「この人は将来、会社を上場させて年収数億円を稼ぐ」とは誰も思わないでしょう。おそらく、「この人はいったい何をやってるんだろう?」という感覚になるのが普通です

けれど、何か新しいことを始める人は、みんなにそういう感覚を与えます。

 

今や一部のYoutuberが広告費で数千万を稼ぐのは常識的で、新しくインスタグラマーやインフルエンサーと呼ばれる人が多くの消費行動を扇動しています。数年前は考えもしませんでした。

ただし、それらの人々が先見の明があったわけではなく、能力があったわけでもなく、ただ単に盛り上がったときに「たまたまそこにいた」から、彼らはYoutuberでありインスタグラマーに成りえた、というのがポイント。

新しいサービスの上にいると、ある日突然「ゲタを履ける」瞬間があるのです。(引用)

その時、その場所にいられるかどうかが、ワンチャンを掴めるかどうか。

そのためには新しいことには早めに首を突っ込む、無料のサービスならとりあえず始めておく、というのが大事になり、そして行動するための「時間」や「余裕」が必要になります。

僕は会社を辞めて時間を作りましたが、貴方はどうですか?

 

攻め方2:「イヤなこと」をやるためのスキル

苦手だったり積極的になれない、いわゆる「雑務」をこなすスキルの話。

これは自分の管理方法として実践していた内容のアップデートとして、とても参考になりました。

基本的に自分の能力を過信せず、なるべく習慣化・ルール化でミスをなくす、というのはこれまでも実践していましたが、すべての作業に同レベルのルールを課していると窮屈だなぁと確かに思っていたところでした。

たとえば、領収書の整理をするとしたら、「今から4時間だけ好きなゲームをやって、その後、17時に1枚だけ作業する」ということにします。

ここでのポイントは、できるだけ自分に甘いルールにしておくことです。-中略- 4時間のゲームと1枚の領収書だと、あまりに不釣り合いなので、自分の中に「罪悪感」も生まれます。すると、ゲームをしているときから、すでにモチベーションが出てくるので不思議なものです。

 

思わず、なるほど、の一言です。

ルールはとことん甘くして、逆にダメな自分を客観的に示すことで、モチベーションにつなげるというのは新しい手法だなぁと感じます。参考になりました。

 

そのほか、一般的な対人スキルやネーミングセンスなど、巷でよく語られているものも紹介されていますが、ひろゆきさんの独特な視点が入った解釈で、これまでとは少し違った内容として新鮮に読むことができます。

 

守り方1:「ベーシックインカム」を前提とした生き方

正直、『働き方 完全無双』というタイトルの本に、ベーシックインカムの話が出てくるとは思っておらず、目にしたときは少し意外でした。ひろゆきさんを旧知の方は普通なのかな?

ただ、ひろゆきさんのベーシックインカム論は非常に具体的で、そのための試算や制度設計も詳細に語られていて、「月7万円の給付って意外とできるんかな」という気になります。もちろんその実現のためのハードルは非常に高いですが。

 

今後の日本において「労働」が、より限られた人や時間でのみ許される社会になるのを前提に、「お金がないと幸せになれない」という考えから「お金がなくても工夫次第で幸せになれる」という思考の転換を図るべきだと本著では述べています。

これは社会で語られる富裕層への羨望とは全く逆の理論ですが、とても説得力があって、しかも僕がこれから実践していきたい生き方でもあったので、勝手に勇気づけられましたw

ひいてはこのベーシックインカムによって、無理に労働しなくてもいい社会になり、無理して低賃金で働かなくてよいので「ブラック企業」を根絶できるとしていて、日本は「これから停滞します」宣言で働かず、低所得で、固定費安い地方とかで、のうのうと暮らそうよとのこと(合ってるハズ)。

ある意味、意識の高い発想です。

 

良いか悪いかは置いておいて、こういう考え方で暮らした方が絶対に今の世の中幸せですよね。だって給料上がらないし、税金高いし、ネットで世界中つながるし。

現代に薄っぺらく浸透する幸福論をあざ笑うかのように、これからの身の守り方を提示してくれています。

 

守り方2:「よくわからんもの」を恐れるな

働き方が二極化するということは、ものすごく優秀な人が作る新しいモノやサービスがお金を生み、それを理解できない人たちは働かずに給付を受けて生活するという図式になります。

今もさまざまな新しいものが生まれている世の中ですが、中には本当に流行るのか、どう使えば有効活用できるのか、自分の理解力では追いつかないものもあります。

日本でよく起こり得るのが、そういった「よくわからないもの」を叩いたり貶めたりすること

 

今後、日本がゆるやかな衰退を受け入れ、ベーシックインカムの考え方で生きていくのにあたって、「優秀な人」や「新しい産業」の足を引っ張る風潮を、本著では危惧しています。

これは「攻め方」の部分にもリンクする内容で、新しいことに触れておくのは、攻めであると同時に守りでもあるんだなと感じます。

問題が起こると一律的に規制したり、自分の知らない世界や価値観を排除しようとすることで、せっかくやる気になっている人たちの意欲を削ぐことに、何の価値もありません。

せめて価値を生み出せない人たちは、価値を生み出す人や産業を非難するのではなく、応援し、自分でも積極的に試してみることが、これからの「守り方」であり、「攻めること」にもつながるのかなと思います。

 

って、書いてて気付きましたが、かなり痛烈じゃね?「価値のある人」と「価値のない人」に分かれ、「価値のない人は誰かの足を引っ張るな」という内容…いや、気付かなかったことにしようw

 

まとめ:生き残る「個人」とは?

以上、本著の概要と、個人的に刺さった項について触れさせていただきました。

本著では個人の能力によらず、相対的に有利になるための手法や、経営者ならではの合理的な考え方、自分のパフォーマンスを最大化する体調への配慮の仕方まで、さまざまな「攻め方」と「守り方」が紹介されています。

僕はフリーの身なので、より新しいものにアンテナを張らなきゃなぁとか、自分で自分を律して作業していかないとなぁ、といった内容が刺さりがちでしたが、もちろんサラリーマンの方も自身の会社での見せ方だとか、経営者視点からの社員の在り方など、参考になる部分は多いと感じます。

 

ただ、それ以上に、「会社で頑張っているだけじゃダメだ」と感じる点が多いと思います。

攻め方1でも触れた「新しいことのために行動する時間や余裕をつくる」のは、会社でずっと守られている状況では考えつかない発想。遅くまで残業していたり、時間があってもリフレッシュに使いたいのが普通ですからね。

今はどんな会社だって危うい時代。「副業推進」がいい例です。より相乗的な価値を高めたいという表の目的とあわせて、所属する会社の稼ぎだけではやってけないの当然ですよという裏の意味合いもあるでしょう。

でも、それさえも自己責任で、身を守る術のない人が悪い時代がきているのです。

そんな中で「個人」として価値をどう高めていくのか、そして同時により「幸せ」を感じられるマインドにどう変えていけるかを、ひろゆきさんの独特の観点で教えてくれます。

帯に書かれている「手強すぎる理論武装」というワードが、殊更、読後にしみじみと感じられる本著。

編集者の種岡さんのおかげで、自分としてもベストなタイミングでこの本に出会えて良かった。

ぜひ、「新しい働き方」を指南してくれる一冊として、おすすめです。

ではでは。

 

 

 

Dスケ