旅行・アート

辿り着かなかった世界を想う、『SNS展 #もしもSNSがなかったら』。

どうも、Dスケです。暑くなったり涼しくなったり、今の時期は調整が難しいですね~。

 

引っ越しの荷造り作業しつつ、遊び呆けている今週ですが、昨日はその今週だけ開催されている『SNS展 #もしもSNSがなかったら』という展示に足を運んでみました。

正しくは先週末から今週末まで。タイトルロゴも可愛いのです。まだの人、急げ!

 

そのタイトルの通り、「もしもSNSがなかったら」をテーマに、さまざまなクリエイターの方が作品を作り上げていたり、SNSならではのインフルエンサー・キュレーターによるコメントや、選出された公募作品などが展示されています。

今では当たり前のように身近にあるFacebook、Twitter、Instagram、YoutubeといったSNSが、もはや考えにくいですがもしもなかったとしたら、そんな空想に思いをめぐらせた不思議な空間を、自分なりの観点でご紹介します。

『SNS展 #もしもSNSがなかったら』の前情報

会場は、秋葉原駅から少し歩きますが、アーツ千代田3331。中学校の旧校舎をそのまま利用して作られたアートセンターとのこと。

ホームページより拝借。秋葉原駅からだと歩いて15分くらいでしょうか。

 

見ていただくと分かる通り、銀座線末広町駅や、千代田線湯島駅の方が近いので、そちらを利用すると良いと思います。

 

もともと、この展示については、僕がTwitterでフォローしている燃え殻@Pirate_Radio_さんやゆうこす@yukos_kawaiiのツイートから知ったのですが、そんな彼らを含めて、12名のクリエイター・キュレーターが会する作品展です。

これまたサイトから拝借。ちょっと初見の方も多く、それがまた楽しそうでした。のんさんいるやん。。。

 

そして、サブのタイトルにもあるように、「みんなでつくるアート展」。正直、まったく下調べをせずに向かったので、あまり深く考えていませんでしたが、各キュレーターが選ぶ公募作品の賞もあって、文字通りSNSに触れることのできる全ての人で作られた企画でした。

写真が下手すぎて死にたいですが、しっかりと伝わる校舎感。手前の広場でバドミントンやってる人もいて、地域の憩いの場にもなっているようです。

 

このアーツ千代田のロゴもおしゃれ。漢数字の三と、1の組み合わせ。

 

会場入ってすぐにあるコンセプトも、グッときます。

本当に、SNSのない世界は、想像がしにくくなってしまったなぁと感傷に浸れる言葉。

 

行き場のなかった言葉や想い

入ってすぐのところには、「#もしもSNSがなかったら」でつぶやいた色々な人の言葉が宙を浮いてました。

それはまるで、クラウド上に放り投げられて、ふわふわと誰かのところへ届く様子をあらわしているかのよう。

 

こうして見ると、SNSは特にテキストベースのコミュニケーションが強いなぁと感じます。画像や動画ももちろん分かりやすく伝える手段のひとつでもあるんだけど、誰もが同じように発することができるからこそ、その人なりの想像や余白が生まれたりするのが、言葉の魅力なんでしょうね。

自分も「#もしもSNSがなかったら」で、つぶやいておけば良かったなと少し後悔(笑)。

きっとこんな感じで皆スマホ片手にSNSサーフィンしてんのかなぁ。

 

いつもは自分一人だけの世界でPCやスマホからSNSを眺めるのが普通ですが、なんとなく「皆でSNSを見ている感覚」を得られる気がして、なんだか不思議な感覚でした。

 

詩人・小説家の最果タヒさんの文も。墓石に花をたむけるように。唸らされます。

 

言葉の雲たちを抜けると、今回の企画に参加したクリエイターたちの作品がいくつか。

燃え殻さんの作品。美術製作だけあって、混沌とした世界観。

 

UMMMI.さんの映像作品。ロードムービーのジャンルなんですかね。両脇のバラがなんとも怪しい。

 

東佳苗さんの作品。衣装制作がメインのデザイナーさんらしい、初見ですいません。でも、この感じが一番好き。

 

どの作品も、小部屋なり、仕切られた空間なりで、自分だけの世界観を爆発させたような空気があって、こういった趣味を越えた情熱も、SNSがあることでより広く、より早く誰かに伝わったのかなと思ったりします。

 

SNSがクリエイターの背中を押す

別の部屋では、インスタでもよく目にするクリエイターたちの作品が展示されています。

イラストレーター・たなかみさきさん。企画のメインビジュアルも描かれてますね。インスタのおすすめでもよく見かけます。

 

写真家・濱田英明さんの作品。同じ写真を別々のメディアで見せて、その解像度を問うような。面白い試みです。

 

(小山健さんの作品、写真撮り忘れてました…面白い漫画だったので、ぜひ会場でw)

こういったビジュアルの作品たちも、もしかしたらSNSがなくても世に出ていたかもしれませんが、SNSがあったからこそ広く大衆に伝わっていったんだなと感じます。

特に、写真については誰もが質の高い写真を手軽に撮れるようになったからこそ、改めてプロの価値が高まり、その中から光る才能がSNSによって後押しされている気もします。

 

そしてそんな彼らが誰かに見出されたように、キュレーターたちが公募作品から1点を選んだ展示も。

タブレットでそのまま展示というのがまた、SNSをテーマにした企画っぽい。

 

一番面白かったのがこちら。ロゴを毎日アップしている方だそうで。そのラフ→完成版のストーリーが、SNSならでは。確かに「盛りたい」。

 

こうしてまた新たなクリエイターが日の目をみて、それが広く拡散されていくのでしょう。

 

SNSだからこそ生まれたコンテンツ

最後のスペースでは、こちらもSNSのデザインをモチーフにした垂れ幕アートが。

先日、本の紹介をしたゆうこすのタイムライン。彼女のファンはとても熱狂的で、さすがSNSの申し子といった熱を感じる。

 

Webメディア「milieu」の編集長・塩谷舞さんの、SNSと自分史を並べた作品。もはやテーマの「SNSがなかったら」を真っ向から壊している感じが清々しい。

 

「久保みねヒャダ」でおなじみ、能町みね子さんが毎年実施している好きな男ランキング。2012年から星野源が1位とか、先見の明ありすぎる。。。

 

そんな垂れ幕に交じって、そのほかの作品たちも。

のん(能年玲奈)さんの作品。テレビでも見たことあるような。独創的ですね。タイトルも「平らな形」とセンス高。

 

無駄づくり発明家・藤原麻里菜さんの「Twitterでバーベキューと呟かれると藁人形に五寸釘が打ち付けられるマシーン」。ちょうど月曜から夜更かしで見た翌日で嬉しかった!w

 

このエリアにあったのは、まさしく「SNSを軸にして生まれた作品やコンテンツ」というところ。

例えば個人の発明なんて変人扱いがほとんどで、だいたいテレビで特集されるのも一人で発明を続ける偏屈さんっぽい切り口。

それがSNSがあり、すぐに世界に発信できるツールがあるからこそ、その中で「見られることで成立する発明ができる」ともいえる。それがどんなに役に立たないものであっても。

 

SNSがあったことで新たな価値を個人に与え、違った目線でコンテンツを楽しむことができるように思います。

こう考えると、SNSがなかったことで生まれなかったものや人が、この世には沢山あるんよね。

 

もう後戻りできない世界に思いを馳せる

今回の企画展はきっと、「SNSがなかった方がよかったよね」とか、「SNSって最高だよね!」という二元論では語れない、深さや広さがあるように思う。

僕はそこまでSNSに頼るような信用も価値も生み出せていませんが、それでもSNSから知った新しい世界や価値観や情報がたくさんあります。

と同時に、新しいことを知ることによって、いくらかは捨ててきた古い価値観も感情もあったりする。

幸・不幸で語れるものじゃないけど、「もしもSNSがなかったら」というもう一つのパラレルワールドを立ち止まって考えてみるのは、とてもクリエイティブな時間になる気がしました。

 

いいことも悪いこともひっくるめて、ポジティブにこの世界の変化を受け入れていきたい、そう感じる展示の数々。今週末までです。

ではでは。

 

 

 

Dスケ