どうも、Dスケです。GW、いかがお過ごしですか?
僕はフリーランスの身のため、特段今回のゴールデンさの有難みを感じていない不届き者ですが、街に出ると皆が浮足立ってる感じはいいですね。ハッピーな空気感。
ただ、どこも人が多いなぁということで、都内で興味のわく展示やイベントはないかなと探すともなく探していたところ、糸井重里さんのリツイートで回ってきたこちらの個展に行くことに。
雨ですが今日も写真展やってます。
獲ってどうするんですか?とよく質問されますが、イノシシのミートパイは絶品です。
「いただきます、ごちそうさま。」
Ego – Art & Entertainment Gallery
東京都中央区日本橋本町4-7-5
5月8日まで延長。11時から17時まで、休館日は無し。入場料1000円 pic.twitter.com/fub4XsSScr— 幡野 広志 (@hatanohiroshi) 2018年5月3日
東京駅からわざわざ歩いてしまったのですが、非常に遠いので、新日本橋駅で降りることをおすすめしますが、行ってきたレポートを。
※今回の記事には狩猟の生々しい写真が含まれますので、苦手な方はご注意ください。
幡野広志個展『いただきます、ごちそうさま。』
会場は先ほどの幡野さんのツイートにもあった「Ego – Art & Entertainment Gallery」。
ところで幡野さんの存在は、僕が不勉強で最近知ったのですが、写真家であり猟師でもある方です。
ツイッターに張り付いてると、色んな方を知られるのでいいですね、勉強になります。
すでに猟師免許は返納されているようですが、写真家としても数々の受賞をされていて、作品サイトではベトナムやインドでの写真などが閲覧できます。
hatano hiroshi photograph
(写真のアーカイブサイト、作ってあげたいw)
そして偶然にも僕、同い年なんですね。誕生日も早生まれ1983年で1ヶ月違い。なんだか勝手に縁のようなものを感じます。
また、昨年11月にガンを告知され、余命宣告を受けてらっしゃるとのこと。
幡野氏は猟師として、狩猟現場を撮り続けてきた写真家。昨年11月、34歳の若さで末期ガンを宣告され、今年の2月には鉄砲を処分して狩猟を辞めている。狩猟を通し、動物の死と対面し、現在は自分の死と向き合いながら写真を撮り続けている。
ブログ等を拝見する限り、ご本人は受け入れつつありのままで現在を過ごしてらっしゃるようですが、もちろんそう生きられるには相当の覚悟と時間が必要だったことでしょう。今もなお。
そんな方が撮られる写真とは、そして狩猟というまさに命をいただく現場をどう捉えているのか、とても興味がわいたので行きたい!と思ったわけでした。
命をいただき、そこから紡がれる生の営み
GWとあって小さな展示スペースには結構人がいたので、5分ほど外で待ってから入りました。
マスターが展示の説明をしてくれて、犬が獲物を追いかけて出てきたところを一斉に狙う「巻き狩り」と、一人で山に入り、獲物に近づき仕留める「忍び猟」の写真がそれぞれ掛けられています。
(照明が入り込んでて写真が見づらく、すいません。。。)
猟師であり、写真家であるからこそ撮れる構図であったり臨場感があって、山の中で銃を構える写真なんかは息をのむ静けさがありました。
また、3番目の写真は、狩猟犬が獲物の解体した残りを咥えているんですが、まさに食物連鎖というか生の営みが垣間見える一コマだと思います。
当然、狩猟なので、解体の様子の生々しい写真も。
僕も田舎育ちなので、イノシシの肉なんかは祖父母の家で出てきたりなどして馴染みはありますが、実際に狩られている様子を見るのは少々ショッキングですね。
いかに普段、自分がさまざまな命をいただいているのにも関わらず、その実感なしに食べてしまっているかを痛感させられます。
本来は痛ましく、かけがえのない生。
まさに自然から「いただき」、そして自然から「ごちそう」になっているんですね。
2階のスペースでは狩猟の様子を5分ほどにまとめた動画を上映。
意外とイノシシは、罠にかからないそうです(笑)
リアルだったのが、狩猟した後の処理の様子。特に解体している場面よりも、イノシシをブラシでゴシゴシ洗ってるシーンが印象的。体毛の硬さを感じるのがゾワッとしましたw
なんか見た後少し動けなくて、2回ほど見てました。
他にも実際の狩猟の銃だとか、獲物の骨だとか、銃弾を購入した際の領収書だとか、普段目にすることのないものも展示。
これぞ、リアルファーです。触ってみたら柔らかかった。とても。
彼らの「死」を目の当たりにしているのに、感じるのは「生」のことばかり。不思議な感覚を覚える展示でした。
5/8まで開催延長。ぜひ実際に見てほしい
最初の幡野さんの挨拶にもある一文。
鉄砲で狩猟をする行為には動物の”死”があり、その先には狩猟者の”生”がある。
カメラで写真を撮る行為には写真家の”生”があり、その先には写真家の”死”がある。
本当に相反するようで、実は近しい2つの行為。
生きることを追いかけた結果が、彼にとって「写真」であり「狩猟」だったのかなと感じます。
個人的にはあまりガンについては触れたくないのですが、それでも彼がそのことを受け入れた後でこれまで撮ってきた狩猟の写真を見返して思ったことや、これから撮りためていく日々の生活の中での写真に思いを馳せると、やっぱり生きていることの尊さを感じずにはいられません。
真摯に、生きていけたらと思います。
元々4/29までだったのが、5/8まで延長しているので、お時間ある方にはぜひ実際の写真を見てほしいですね。
そして、もちろん食べます。狩猟とは、食すための行為(ちょっと違う)。
個展会場では実際にイノシシの肉を加工した缶詰も販売されており、僕はスパイス煮込みを。
他にも鹿、羊、ジャージー牛の缶詰もありました。
ちょっとケモノ感ありましたが、それも醍醐味。美味しかったです。
見て楽しい、食べて楽しい。そんな写真展でした。
ではでは。
Dスケ